昨年、私たちが毎年恒例の「TOP 100 CLUBS」の投票結果を発表したとき、ちょうど世界の多くがCovid-19の蔓延を阻止するために初めてロックダウンされた時期でした。

 

そのとき、私たちは読者の多くの人と同じように、数ヵ月後にはまたクラブに戻り、友人たちとダンスフロアを共有していることを声高に願っていました。それから約1年半が経ち、ソーシャルディスタンスを始めとする感染拡大を防ぐ措置やワクチン接種プログラムは流れを変えたように見えます。

 

DJ MAGの本拠地であるイギリスでは、21年7月中旬にクラブの営業再開が許可され、新たなウイルスの波がもたらす被害を抑えるために様々な安全対策が実施されました。中国、台湾、ニュージーランドなど、いち早く対応し、より早く通常の状態に戻すことができたようです。これらの国々で開催された、クラブイベントやフェスティバルの賑わいを収録した映像は、政府の規制が厳しい地域の人々に複雑な感情を抱かせたことは久しくありません。

 

しかし、この混乱の中で、ポジティブな話もありました。イギリスでは、フードバンクなどのプロジェクトを通じて地域社会を支援したり、ポップアップ・レストランやアートギャラリーなど、より社会的な距離を置いた活動を提供していました。また、多くのクラブがこの機会に構造的な改善を行い、サウンドシステムを強化を行い、そしてもちろん、無観客のクラブから無数のライブストリーミングが行われ、中には現実の空間をバーチャルに再現したものもありました。

 

政府からの助成金を得ることに成功したクラブもありますし、オンライン募金という形で支援を集めることができたクラブも多くあります。今年のTOP 100 CLUBS投票シーズンの一環として、DJ MAG HQは、クラブに「Covid-19 SAFE」のライブストリームをホストするよう呼びかけ、視聴者を支援する募金プロジェクトに誘導できるようにしました。

 

このような取り組みにより、今年は世界中の人々から50万票以上の投票があったTOP 100 CLUBS 2021の投票に、非常に興味深く、驚くべき効果がありました。51%のクラブが順位を下げ、ヨーロッパが若干の打撃を受けたように見えます。しかし、チャートインしているクラブのシェアでは、ヨーロッパは依然としてトップであり、昨年より1つ増えて49つになりました。

 

夏のダンスミュージック観光に大きく依存しているイビサ島は特に影響を受け、ホワイトアイルの63%のクラブが順位を落としましたが、サンキースの跡地にオープンした新しいクラブ・オクタンのおかげでこちらもシェアを1つ伸ばしたことは忘れてはならないでしょう。

 

次回は、アジア圏について解説します。

 

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