東ヨーロッパ文化のハブとして有名なルーマニアの首都・ブカレストに誕生したBoehmは、これまでに様々な賞を受賞し、ルーマニアのEDMシーンでは知らぬ人がいないほど人気の高いアーティストだ。さらに彼の音楽は国境を越え、DJ MAG TOP 100 DJs 2016で5位に輝いたTiestoのウィークリーポッドキャスト「Club Life Radio」や世界規模で展開するコーヒーチェーン店Starbucksの店内のプレイリストに採用されるなど、世界中でBoehmの楽曲、リミックスはプレイされている。そんな彼に最近リリースした楽曲やDJ MAGについて訊いてみた。

 

Q1. 最近“Let’s Give It A Shot” をリリースされ、聴かせていただきました。このトラックのインスピレーションは、どこから来ているのですか?

数ヶ月前にBrandynのチームからデモをもらったことを覚えていて、その中にこのトラックも入っていたんだ。オリジナルは、”Holiday”という名前で、僕が完成させて“Let’s Give It A Shot”に名前の変更を依頼したんだ。色々とデモをもらったんだけど、やっぱりこれが目立ってたね。聴いた瞬間にインスピレーションが降ってきて、鳥肌が立ったよ。最初は、もっとpopよりの曲調だったんだけど、これは、pop-danceに変える必要があると思い、この結果になって満足しているよ。 

 

 

Q2.プロダクションに関してのプロセスは、最終形態にもっていくまでどのようなものでしたか?

Brandynとは、もう一年以上の仲だよ。彼のソロのシングルでリミックスをしたこともあるし、Cosmos & Creaturesとしてリミックスしたこともあるんだ。彼の歌声が元々好きで、ユニークだと思うよ。暖かい歌声の持ち主で、彼とはいつか一緒に曲をプロデュースしたいと思っていたんだ。実際は、オンライン上でのメッセージのやり取りだけで、面と向かってあったことはないんだけど、インターネットのおかげでこれが可能になったよね。プロダクションのプロセスも、ネット上でやってみんなが納得するのを導き出したんだ。素晴らしい作品が出来上がったと思うから今後も一緒に仕事できると嬉しいな。

 

Q3. 今までのアーティストとしてのキャリアにおいて、一番の分岐点や重要な出来事を教えてください。

デビューして1年半しか経っていない時に僕とSteve AokiとWalk The Moonでコラボできたのは、このキャリアにおいて今までで一番の出来事だったよ。それと、去年イビザのUshuaiaでショーができたのも僕にとって上への大きな階段を一段上った気分だよ。

 

 

Q4. 2016年には、Steve Aokiとトラックをプロデュースしていますが、このコラボは何がきっかけとなり、形になったのですか?彼と仕事をしてどう思いましたか?

このコラボは、完全に予想外だったよ。このようなことがこんなに早い段階で起きるとは思ってもなかったよ。2015年の夏、TomorrowlandにいたSteveに僕のマネージャーがデモを聞かせて、彼がすぐにでも一緒に仕事をしたいと言ってくれて、深夜にマネージャーから電話かかってきたんだ。インターネットのおかげですぐ取りかかることができたよ。Steveにデモを送って3日後にはもう彼のバージョンが届いていて、彼の味がとても弾き立っていたよ。そこから、一ヶ月ほどお互いが最終タッチを言い合い編集していき、最高の作品ができたんだ。

 

Q5. 近々、このようなコラボも期待できますか?

もちろん。大きなコラボの話が2つ浮上していて、今回はポップアーティストだね。それと最近、この業界での友達が増えたからいろんなコラボが可能だと思うよ。

 

Q6. 2017年の予定を教えてください。特別なリリースやツアー予定などはありますか?

今年は、僕から多くの音楽が配信されるよ。リミックスではなく、オリジナルにこだわってプロデュースしていきたいし、プロダクションで忙しい一年になるね。新しいBoehmの音楽が6~8週間に1つは聴けるから楽しみにしていて。

 

 

Q7. いつ頃からプロダクションにも携わろうと決断したのですが?何にインスパイアされましたか?

幼い子供の頃から自分で音楽を作り、プロダクションに携わってきたよ。確か、12歳の時にCasio Rapmanとお父さんが作ったホームメイドのミキサーで曲を作ったんだ。当時は、ヒップホップの曲を作成していて、EDMに出会い、今この場にいる。お父さんにはすごく影響されて、いろんな音楽を聴かせてくれたよ。例えば、Deep PurpleやEmerson、Lake & Palmer、BB King、Otis Reading。これをベースに少しずつ音楽を発掘していったね。キーボードに向かって自然と手が動いて作曲してたから、どこからインスピレーションが来たかは、考えたことがないね。

 

Q8. DJ Magでは、“TOP 100 CLUBS”を開催していますが、お気に入りのクラブを教えてください。

マイアミは、ユニークなvibeがあるよね。Storyでギグをしたが、この経験は素直に素晴らしかった。アメリカのクラブは、やっぱりヨーロッパとは違う味を出してると思う。アメリカの場合、同じセットでも自分のストーリーを描き、違うスタイルやチャプターへと制限なく進められるね。ヨーロッパの場合は、もう少し制限がかかっていると感じる。クラブにもよると思うけど、ディープハウスでセットを始めたら、それを貫き通す感じ。そういった意味で、vibeは違うと思うけど良い経験には間違いないよね。アジアのvibeも体験してみたいから近々行きたいよ! 

 

 

Q9. DJ/Producerとして DJ Magは、どのような存在ですか?

DJ Magは、もう長い間フォローしているよ。Tiestoが、世界一を取ったときのことを鮮明に覚えていて、僕もマガジンに掲載されるのを夢に見ていたよ。いつかDJ MAG TOP 100 DJsに選ばれることは、僕の夢の1つが現実になる瞬間だね。それと、この業界においてDJ Magは、一番のメディアだと思うしレジェンドだよ!

 

Q10. 日本のファンの方々へメッセージをお願いします。

日本のみんなに実際に会ってエネルギーを感じるのが待ち遠しいよ。それまでは、多くの音楽をリリースするからそれで繋がっていたい。Love you all!

 

 

様々な国と地域で楽曲が再生され、世界中の人々を笑顔にしているBoehm。オーディエンスのみならず、世界中のアーティストからも愛されるBoehmは、DJ MAG TOP 100 DJsで常に上位にランクインするSteve AokiやNERVO、Dimitri Vegas & Like Mikeなどのレジェンドたちにもリミックスをリクエストされるほどだ。2017年も様々なリリースやプロジェクトで私たちを幸せにしてくれるに違いないBoehmに今後も注目して頂きたい。

 

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