世界を股にかけるオランダ人DJ、Tiëstoについて、もう既に言われていないことはない。トランスというジャンルのトップのキャリア。チェック。EDMトップのキャリア。チェック。15年間チャートのトップ。チェック。その間、John Legend(ジョン・レジェンド)の「All of Me」のリミックスでグラミー賞を獲得し、2004年のアテネオリンピックの開会式でプレイし、そしてマダム・タッソー館で彼自身の蝋人形を持つ。現在、インドとアジアでファンに最も人気のDJとして関係を築き上げ、彼の世界征服の目標はとどまる所を知らない。

 

2013年にDJ Magに語った時、本名・Tijs Michiel VerwestのTiëstoは、「ダンスの長年のファンとして、素晴らしい画期的なライブショーでプレイし、現代ダンスミュージックを定義づけた精力的な人として知られたいです」と彼は述べた。彼は間違いなくそれをしてきた。2001年、彼によるDeliriumの「The Silence」のリミックスが、北アメリカで初めて昼間にラジオに流れたハウス曲だ。2年後、彼は2万5千人以上の観客のスタジオソロコンサートを初めて完売させたDJとなり、チャートのトップを奪取するEDMスーパースターとして道を開いた。

 

現在20年以上活動的にDJをしているこの47歳のTiestoは、1997年に彼自身のレーベル、Black Hole Recordingsを立ち上げ、Ferry Corsten(フェリー・コールステン)やArmin van Buuren(アーミン・ヴァン・ブーレン)などのアーティストのミックスコンピレーションをリリースしてきた。2009年には、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)とNelly Furtado(ネリー・ファータド)の作品を収録し、このオランダ人にとって音楽の方向性ががらっと変わった彼のアルバム「Kaleidoscope」のリリースと同時期に、Musical Freedom Recordsを立ち上げるためにBlack Holeとは別々の道を歩みだした。現在ゴールドとプラチナリリースを多く輩出しているこのレーベルはそれからというもの、Diplo、Dimitri Vegas & Like Mike、Hardwell、Oliver HeldensとDVBBSの作品をリリースしてきた。

 

今年、Tiestoはディープハウスのアーティスト達を押し出すためのレーベル、AFTR:HRSを立ち上げ、これまでの5つのリリース曲の中でNungwi、Florian PaetzoldとJoliqueの音楽をフィーチャーした。3年連続でTOP100DJsの5位を固守している彼は、MGM Grand にあるHakkasan Nightclub でのMusical Freedomレジデンシーを続け、去年Martin Garrix、The Chainsmokersや Don Diabloといったスーパースター達とコラボした後、2016年にはMike Williams、JauzとDallasKと手を組んで楽曲製作し、また、大成功を納めた「Summer Nights」でJohn Legendと再び手を組んだ。

 

フォーブスは今年の始め、Tiestoの年収は3,800万ドルであると推定したが、それでも12月のインドのSunburn FestivalでDeccan Heraldとのインタビューの中で、業界の状況について嘆いていた。「EDMはエレクトロニック・ダンス・ミュージックの総称でした」と彼は説明する。「ですが、今はプレイすべきではない音楽、という意味になってしまいました。新しいトランスのようになったのです。人気になった今、私たち全員ディープ・ハウスに傾倒するようになったのです。すぐにそれも終わります。勝てません。正直、ジャズみたいに大きなファミリーとしてすべてを捉えた言葉だったので、EDMから離れない方がよかったです。」

 

しかし、彼のダンスシーンへの活力はとどまるところをしらない。「Martin Garrixは私のインスピレーションを与えてくれます」と彼は同インタビューで話した。「とても若いときから才能に恵まれていて、フレッシュな新しい才能大好きです。また、私のファンタ達。彼らの喜んだ顔を見てると、即興で音楽を作りたくなります」と言った後、彼は人生のスローガンである「生きる、愛する、ダンスする」で締めくくった。

 

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