ポルトガルで一番影響力のあるDJ/プロデューサーはDiego Mirandaと言っても過言ではない。DJMag TOP100DJsでは2013年94位を皮切りに、2014年70位、2015年58位とポルトガル国内のみならず、世界中で活躍し、オーディエンスの心を奪っている。大規模なパーティーやイベントへの出演はもちろんのこと、2011年にはDJMag TOP100Clubsで堂々8位にランクインしているイビサ島のUshuaia IbizaのメインDJとして参加し、世界を驚かせた。同年には、DJとしては異例の世界的有名な音楽賞であるヨーロッパ・ミュージック・アワードEMAにノミネートされている。そんな国際的に活躍するDiego Mirandaに今後のリリース、そしてDJ Magについて訊いてみた。

 

DJMag Japan: Diego、久し振りだね。君の活躍は日本にも届いているよ。活躍ぶりには目を見張るばかりだね。 レーベル「Less is More」も人気の曲を常にリリースしているし、自国・ポルトガルや南米でのギグも数多くこなしている。最近では中国でのギグも増えてきたようだし、去年も東京でギグをしたりと、アジアでも活動していることを嬉しく思うよ。初めて会ったときから周りの状況も変わったと思うけど、最近の活動についてどんなプランなのか教えてくれるかな?

Diego: 世界中にギグで出かけているだろ。だから、残りのちょっとの時間を使ってスタジオで制作してるんだ。もうすぐ、僕の新作「Crystalized」が発表されるけど、これまでとは一味違った作風になってるよ。カッコいいボーカル付きで、どちらかというとラジオ向きかな。新作のウケは期待できると思ってて、はっきり言って自信作だね。Wolfpackとのコラボ作「Nashville」は、もう、beatportで1位になってるんだ。すごく嬉しいよ。あと、未発表作だけど「Viking」って曲が、ダンスフロアでは人気なんだ。だから、リリースしたら多分いい反応を期待できると思ってるよ。ってことで、これまでのところ、僕にとってすごく良い年ではあるよね。もっといい出来事が待ってると思うよ。

 

 

DJMag Japan: さっそく、いろいろ質問したいんだけど、 日本に何度か来日しているけど、日本の印象、経験で最も驚いたことは何かな? 来日前に予想していた通りだった?

Diego: 日本食は大好きだし、高層ビルは凄いし、日本人の親切なところが好きだな。 あと日本の観客がすごく感情表現豊かな点に感動したな。プレイしていて楽しかったし、自分のホームグランドで演奏してるみたいに感じたね。正直なところ、クラブにあれだけ多くのテーブルがフロアに配置されているとは予想してなかったな。ヨーロッパや南米とはだいぶ違うね。まあ、テーブルに関係なく皆楽しんでたけど。あと、いつも感動するんだけど、プロダクションが凄いよね。花火だとか、映像とか、僕のロゴまでクラブの柱に飾ってあって大満足だよ。僕のために皆が一生懸命に働いてくれて、本当に感謝だ。

 

DJMag Japan: ヨーロッパ、南米、アジアといろいろな地域で活動していて、オーディエンスの違いやイベント内容の違いはあるかな?

Diego: うーん、あんまり差は感じたことないかな。っていうのも、音楽は共通言語だと思っていて、音楽を通じて、僕らは感覚だったり、感情を人と交わすことができるんだ。だから、どこで演奏していたとしても、すごく居心地がいいんだ。強いて言えば、日本の観客の前で演奏するのが、一番気持ちいいかな。皆、一体感があって、プレイ中も僕との対話を楽しんでくれるし、音響や映像といったプロダクションがいいから、小さなクラブでも独特のフェスみたいな雰囲気を醸し出してるのもあるな。

 

DJMag Japan: 今まで行ったギグで最もクレイジーな経験ってどんなものだった?

Diego: 誰もが一度は体験したいと思ってるウルトラ・マイアミだよ。これまで体験したどのフェスともレベルが違って、本当にクレイジーだったよ。それから、ブラジルの、何千もの人が集まるハッピー・ホーリー・カラーズ・フェスティバル。ヘッドライナーとして出演できたらって、思うよ。

 

 

DJMag Japan: この夏も忙しそうだけど、今後の予定について聞かせてもらえるかな?

Diego: もう混乱しちゃってるよ。日本にいたと思ったら、もうイビサに行ってたり。一晩で世界の何か所に同時に存在しちゃえるよ、俺。移動量は半端ないけど、情熱のためなら疲れ知らずだよ。とはいえ、基本的に、今年の夏は僕の母国やポルトガルの島に滞在する予定なんだ。ポルトガルの夏は、フェス真っ盛りだからね。他には、中国、韓国、インドネシア、あとイビサにもいかなきゃ。マジで忙しいね!

 

DJMag Japan: 前にWolfpackとの新曲「Nashville」を聴かせてもらったけど、いままでのDiegoのつくっていた曲の印象と違うね。新曲がどんなトラックになるか聞かせてよ!

Diego:「Nashville」はもうリリースされてて、beatportのエレクトロニック/ハウス部門で1位になったんで、すごく嬉しいよ。頑張って準備したからね。このトラックは、これまでの僕の作品と大分違う仕上がりになったな。僕はどっちかっていうと、コマーシャルな作品で有名じゃん。MTV EMAでもノミネートされたし、ラジオでのヒット作も多いから。でもさ、実はもう何作もメインストリームな、力強いトラックを発表してもいるんだぜ。僕は、ファンや観客が欲しいもの、期待するものを提供していきたいからね。だから、独自のスタイルを持たないんだ。ムードとか、その時の感情とか、僕が興味を持った方向での作品作りが主体だよ。 ある時、Wolfpackと一緒に、レーベル「Smash The House」からリリースでいる機会に恵まれて。せっかくなんで、このレーベルのイメージとマッチする、世界のトップDJ達がかけるような完璧な作品を作ろうって。この作品はダンスフロアで凄い人気になっただけど、ラッキーだったのは、ディミトリ・ヴェガス&ライク・マイクが気に入ってくれて、世界中で流してくれたんだ。皆に曲を知ってもらえる機会になったよ。

 

DJMag Japan: 今年、DJMag Japanが設立された。日本でも投票が始まったよ。 DJ/音楽プロデューサーのDiegoにとってDJMagってどんな存在かな?

Diego: TOP100DJsは、1年間の集大成の成果だな。ランクインしたら誇りに思うし、知名度だって上がる。と同時に大きな責任も伴うだろ。僕はいつも、自分の名に恥じない、世界のファンのために活動していこうと心がけてるんだ。日本のファンの皆、僕に投票してね! 僕のファンだってことを証明する絶好の機会だよ!

 

DJMag Japan: 最後に、日本のファンにメッセージをお願いできるかな?

Diego: みんな、愛してるよ。皆と会えることを楽しみにしてるよ。日本で受けた歓待、優しさ、親切な心に本当に感謝してるし、最高のお土産だよ。本当にありがとう。

 

イベリア半島で誕生したスターは、世界を股にかける大スターに成長している。彼の座右の銘は、The best is yet to come。「ベストはこれからだ」と常に心に言い聞かせ、自分自身の限界、そして可能性に自らで線を引くことはしない。今日もまたDiego Mirandaは世界中にダンスミュージックの興奮を届けている。

 

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